ショートショート~present
NEW DAY下編










NEW  DAY 3(日本語ver.)
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3.下編

唇 がじんじんとする。
無意識に手で触れると、たった今までキスされていた記憶が怒涛のように押し寄せた。
その確かな証拠が、きちんと唇に残っている... ... 。

さっきまでの青島の涙はすっかり消えていた。 今、青島を占めるのは、あまりの衝撃で頭が真っ白になっていることだ。
言うべき言葉すら出てこない。

「 ... ... あ、あの、とにかく、えっと... ? ど、どうして、室井さんが... ... 」

片言の言葉を呟きながら、青島は最早室井の真っ直ぐな瞳を直視することもできず、鬼ごっこの如くその視線を避け続けた。

「すまない」

室井は意を決して口を開いたが、青島の手首をつかんでいた手は緩めない。

「無理強いをするつもりはなかった... 」

... ... そんなことを心配している場合かよ!
青島は少し自分のペースを取り戻しつつ、声を張り上げた。

「んなのは、どうってことないんです!」

強い口調で拒絶され、室井は少しだけ目を見開き、青島を握っていた手を軽く離した。

「その、君が急に出て行くと言い出すから... 。悪かった」

二度目の謝罪。
青島はまだ感触の残る下唇を噛み、反射的に拳を握りしめた。

「だからって今のは何だよ?単なる引き止めの手段かよ?」

室井が顔をしかめる。

「いや... 」

くそっ、狡い、ホントにズルイ。
この人は、俺があんたに対してどんな気持ちを抱いているのか、知りもしないくせに。
冗談みたいにわけのわからないキスで封じるなんて、一体どういうつもりだよ。
この世で自分が一番熱情を手向けている人物が、よりによってこの世で一番熱情を向けちゃ駄目な人物である。

そんなこと、自分でもよくわかっていた。
だからただ、約束の存在だけで心を満たして、常日頃どんな困難だって受け入れて、二人の約束のために努力してくんだって分かってるよ。
でも、今のこれは何だよ。
明らかに、上司と部下、エリートキャリアとノンキャリの関係を超えちゃってるじゃないか。
さらには、たとえ一万歩譲っても、友人と友人の間では越えられない一線であって... ... 。

な... 何でだよ? これは。 なんだってんだよ!
あんた何も分かっちゃいない。
あんたにはわからない... ... このキスが、俺にとってどんな意味があるのかなんて... ... 。

青島の心中の痛みと悲しみは、しばらくは口もきけないほどに咆哮した。

どうしていつも叶わないことに期待させるんだろう。
どうしていつものあの優しさで、俺が逃げらんないようなことを言ってのけるんだろう。
どうして、勇気を振り絞ってやっと逃げ出したときに、こんな手を使ってくるんだよ... ...

もう、こんなにも何度も迷惑をかけているのに。
こんな左遷までさせちゃってるのに。
どうしてそんな俺をまた引き止めちゃうんだ、この人は。
こんな礼儀的に持て成すような優しさで、今も構ってくるんだろうか... ... 。


室井の声は深海くらいの酷く遠いところから聞こえた。
耳を凝らせば、自分の名を呼んでいるのだとわかった。
青島は薄っすら微苦笑すると、千斤の重荷を担ぎ上げるように、「もう、どうでもいいです」と唇を開いた。

「今日ここに来たのも、室井さんに謝るためだけでした。
 どうしたって、一言の別れも告げずに、一人で遠いところに行っちゃうってのが耐えられなかった。 だから、直接会って、ごめんなさいと言おうと思ったんです。
 俺のミスであんたが... ... 罰を受けた。 そういうことでしょ。
 約束については、絶対守ります。 たとえ室井さんがこれ以上続けたくなくても、俺はあの約束通り、下で自分の仕事をしっかりやってみせます。 それだけ」

もう... ... きつい。
心臓が死ぬほど痛いってのはこういうことだったのかよ。

青島は一気に言い切ったが、自分が原稿をインプットされているロボットのような気がした。

「んじゃ、これで失礼します」

青島の言葉を聞いて硬直している室井に一礼し、通り過ぎようとした刹那、もう一度青島は細い腕をつかまれた。
さっきと違って、室井は今度はあまり力を入れなかった。
少し驚いたまま目を上げると、それまで前方を見ていた室井もこちらを見て、二人の視線が宙でぶつかる。

「さっきも言った。少なくとも、今は、行かないでくれ。話があるんだ」

室井の強い視線に動揺し、青島は少しもがいて、自分の腕を引き抜こうとした。

「まだ何か文句があるの」
「好きだ」

嘘のように、室井は青島の目をまっすぐに見つめ、一歩も引かずにそんな告白を口にした。

「俺が狂っているとか、おまえを傷つけた相手がどうしてそんな大それたことを言えると思っているのかとか。
 でも俺にとってはその気持ちははっきりしている。それだけのことだ」

室井は強い目をして青島を見つめ、もう一度その二文字を吐き出した。

「おまえのことが、好きだ」
「………」

青島はもがき続けることを忘れていた。
呆然と室井の視線を受け止めながら、何分か硬直していると、急に世界が色が戻ったように、自分の首筋から耳朶のあたりまでが熱くなった。
一瞬後、衝撃的な実感が破裂する。

「 ... うそ、だろ... 」



*****

「酒、飲みたいです」

突飛な要求に、室井は一瞬眉をひそめたが、すぐに踵を返し冷蔵庫からビールを取り出してきた。

「これで飲み足りなかったら、ボトルを飲めばいい」

まさか本当に同意されるとは思わなかったので、青島はあわてて要求の度合いを半減させた。
室井はテーブルに座り直すと、新しく注いだものを青島の前に置く。

「さっきのは飲んでしまったから」
「 ... そ、それだと」

... ... 間接キスじゃんか。 
だが、どうせ間接的でないことまでやってしまったのだ... ... 青島は素早く首を振り、そんな少女趣味のような妄想を頭から振り払った。
室井にはそんな乙女心は読めなかったらしい。
いつかも捜査会議で見たように、テーブルの上に置かれた手を少し遠慮がちに握り、組んだ手のひらを口許に当てた。
まるで「苦悶中」という大きな文字を額に貼りつけたようだった。
青島はもう吹き出した。

戸惑ったような視線を向けられたことに気づいた青島は、片手を振る。

「なんでもないです」
「……」

室井は低い溜息をついた。
つい三十分ほど前に突然告白した大胆さとは裏腹に、青島がやっとの思いでテーブルに戻る頃には、室井はいつもの端正さを取り戻し、言葉少なとなった。
ただ、青島が頭を下げて見上げるというちょっとした動きに、青島がまたドアから逃げ出すのではないかという紧張感が伝わってきた。

... ... だからこそ青島は、室井の言っていることが本当だと、少しずつ信じられるようになった。

今日の俺の心臓は災難である。
最早普通のジェットコースターレベルではない。
人間の限界に挑戦するために作られた何かがこの世にあるとしたら、きっと今の自分の気持ちの抑揚はそれとそっくりだ。
人間の心臓って、こんなに強靭だったのか。
たとえ一秒前までは悲しみに身を縮めるほど苦しんでいたとしても、次の瞬間には人を雲の上にまで投げ上げることができるという言葉を聞いたあとでも
脈打つ鼓動が自分の脳に伝わり喜びを味わうことができる。

もちろん理性は今も「そんなの通用しない」と言っている。
それでも、たとえ今夜だけでも、室井の告白を前にして、青島ははすべての思考を放っておきたかった。
そのまま何も考えず、ただ、この事実を噛み締めていたかった。

奇跡の返事に、思わず微笑んでしまう。

「 ... 青島」

目の前の室井が自分の名前を呼んでいる。
青島は小首を傾げ、「はい」と小さな声で返事をした。
室井はちょっとためらってから、自分の口の端に指先を当てる。

「ビールの泡... ... 」
「あっと、すみません」

青島はあわてて舌を出し、口元を舐めた。
でも室井の眉間に皺を寄せた表情は消えない。
もう一度小さな声で疑問をぶつけてから、室井はようやく片手を上げ、青島の反対側の口元に指をやって、軽く拭った。

「 ... ここだ」

うあ... ... この人... ..
鏡を見るまでもなく、青島は自分が顔を赤らめていることを悟った。

「ど、どうも」

室井は傍のティッシュボックスから一枚抜いて指を拭いている。
節くれだった指は、今まで付き合ってきた女の子たちとは違っていたが、男目線で判断しても、なかなかの美指だった。
頬の熱さが一段とはっきりしてくると、青島はうつむいてもう一口飲み、そっと冷たい手で顔を隠した。

室井が言い難そうに再び口を開いた。

「明日の午前中に戻れ、ホテルの予約がないならここに泊まればいい」
「あ、あ、あ、はいはい、そう、そうですね、なんだか、室井さんに、ご、ご迷惑をかけてしまって... 」

... ... 本当に泊まりになっちゃった。 どうしよう。
すべてのことがあまりにも早く進みすぎて、自分は本当に... ... 本当に... ... ちょっとした準備も... ..

何かに気づいたように、室井が急に言い訳を始める。

「布団が余ってるから。ソファでもいいが」

青島の反応を待たず、室井はテーブルから立ち上がった。

「風呂の準備をしてくる」
「は、はい、お手数をおかけします... 」

... ... 正直、一緒に寝るわけじゃないと聞いてホッとした。
そうなりたくないというわけではないが、そんな状況になるとは想像もしていなかったので
急に緊張してどうしたらいいのかわからなくなってしまった。
ビールを持ち上げてもう一口飲み、泡立つ冷たい液体を口の中で温めながら、
この緊張は室井が今まで青島に答えを求めてこなかったからなのだと、と青島はなんとなく思った。


*****

バスタブから出ようとしたとき、室井がタイミングよくバスルームのドアをノックしてくる。

「着替えをここに置いておいた」
「 ... ありがとございます」

しばらくしてドアの隙間から服を引き摺り込んでみると、パジャマ代わりらしいTシャツとズボンと、真新しいパッケージの下着まで挟まれていた。
たった今さっき近所に買いに行ってくれたのか... ... 。
青島は手早く着替えると、室井がさっきくれたタオルを首に引っ掛け、濡れた髪を拭きながら出て行った。

青島が先にバスルームを使えというのは、室井の強い要望だった。
理由はやはり社交辞令に「怪我人優先」。 何様なんだとは思ったが、今夜の青島は黙ってその好意を受け入れ、おとなしく風吕に入って全身を温めた。

「ちゃんと洗ったよ」

リビングのドアを開けながら言うが、そこに室井の姿はなかった。
さらに二歩進むと、キッチンで食器を洗っていることに気づく。
そっと近づいて、背後からいきなり名前を呼ぼうとしたが、室井が先に振り返り、青島のおっかなびっくりな動きを途中で止めた。

「 ... ちゃんと聞こえている」

ちょっと呆れたように青島を見ると、室井は最後の皿を流しに置き、身につけていたエプロンを外した。

「聞こえてんなら、どうして返事してくれないのさ」

小声で不貞腐れると、青島は口を尖らせて、室井がキッチンから出てくるのを待った。
室井がタオルの端で青島の濡れた髪をもう一度拭いてくる。

「早く乾かさないと風邪をひく」

まつげの上にぽたぽたと水滴が落ちてきて、青島は思わず目を細めた。

「ん、も、室井さん、母さんみたいだな」

... ... しまった。何か言い方を間違えた気がする。
おそるおそる目を上げて覗き込むと、室井の顔はさすがにつむじを曲げていた。

「 ... ... 俺が欲しいのは、そういう関係じゃない」

室井は捨て台詞を残しバスルームに消えていった。

... ... やっべ、言い間違えた... ...
青島は自分にびっくりしたままその場に立ち尽くした。
にしてたって、俺... ... 。


*****

目を開けると、目の前に室井の顔があった。 視界が斜めになっている。
自分がソファで眠ってしまっていたことに気づいた青島は、あわてて体を起こし、頭を掻きながら繕った。

「 ... す、すいません、つい... 」

室井はため息を残し、身を起こした。

「眠かったら先に寝ればいい、ただ髪が... 」

傍らの椅子に歩み寄ると、背もたれを軽く叩いた。

「こっちへ来い」
「え? あ、はい... 」

怪訝な顔で青島が後を追い、椅子に座り直したところで、乾ききっていない自分の髪に触れられた。
室井が何をしようとしているのかすぐわかったが、すかさず青島は「あの、それは自分でやりますから」と突き放すように抵抗した。
室井がその肩を軽々と押す。

「ちゃんと座れ」

ドライヤーの音が耳を塞いでいた。 
室井よりも、室井の命令に無意識に従うという本能こそ、ある種の「慣性」なのかもしれないと青島は初めて知る。
もう踠くのをあきらめ足を組んで椅子に座り、室井の指が青島の短い髪の間を柔らかくすり抜けていくのを感じ取った。

腰のあたりには鈍い痛みが走っていた。
今でも、こうして膝を抱える動作をするたびに痛みが起こる。
それでも今ここでもう一度、この痛みを味わう態勢を選んだのは、この滅びゆく幸福の中で、自分がまだ少しでも目覚めていられるようにするためだった。

青島は薫る熱風の中で目を閉じた。
やっぱり室井の手からは逃れられなかったのだ。
本当に室井はまだ知らないんだろうか。俺が、飼いならされたペットみたいに、おとなしくここに座って室井に触れるにまかせている理由を。
あるいは、もう知っているから、聞かないのか。
魔法使いみたいな室井さんは、俺が何を考えているのか、いつも俺が口を開く前にわかってしまう... ...

後から吹きつけられていた熱はいつの間にか止んでいた。
うっすらと目を開けた青島は、自分の頭が無意識に室井の方に傾いていたことに気づく。
室井の手は乾いた髪の間から抜け落ちる。
大きな掌が青島の身体を覆ってきたが、それは締められることもなく、ただ宙でためらうような柔らかいものだった。

いつもこんなふうに、俺をつかまえていて、逃がしたりしないで... ...

心臓のすみずみまで、一万回も熱いアイロンをかけられたようだった。
青島は首を傾け、ゆっくりと自分の頬を室井の手のひらに押しつけた。
風呂上がりだったからだろうか。 室井の手はすごく温かい。
座った当初にはあった内からの警告は、この瞬間から、もう、すべてが、届かない。
もう手遅れだ。
腰骨の奥の傷はまだ疼いているが、青島はもう何も感じてはいなかった。
こうして室井の手に触れ、室井の温度を感じていると、今だけ、世界のすべてが手に入ったような気がした。

室井が無言で指を絡ませた。
振り返らなくても、今の彼がどんな顔をしているかは想像がつく。
残念ながら背中を向けているので、その眉間の谷間に手を伸ばすことはできない。

また眉間に皺を寄せさせることばかり。 もっかい、ごめんなさいと言うべきかな。

「病院でね、目が覚めるまでは、ずっと夢を見ていたような気がするんです」

言いかけ、青島は自分の声がかすれていることに気づいた。

「夢の中で、ほんとうに死ぬかと思った。深い水の中に沈んでいくかんじ、どんなにあがいても泳げなかった。
 どんなに叫んでも、どんなに叫んでも、空っぽのこだまが返ってくるだけで、誰も返事をしてくれなかった」

室井は黙って聞いていた。 絡めていた手に、力が籠もる。

「必死に泳いで、ずいぶん長いこと... がむしゃらに、浮かび上がろうとした。光の方向を探してた。でも、どうしてもそれができなかった」

青島は唇の端を軽く上げ、鼻先を室井の指先にくっつけた。

「あん時さ、少なくとも突入前に本店の人間が揃っていたら、容疑者は逃げられなかったと思います。
 そうすれば、たとえちっぽけな所轄の人間がミスで殉職したとしても、それほど大きな影響は、なかったでしょ... 」
「そんなことは... 」

室井はその一言を背後から重々しく吐き出したが、それだけの短い一音節で全力を使い果たしてしまったようだった。
青島は小刻みに震えながら、勝手に話を続けていく。

「でもね、その後... ... その後、真っ暗な暗闇の中で、あんたの声が聞こえたんだ。 夢の中なんだけど、夢の中のあんたは俺の手、握ってた。
 今のコレと似てる... ... 。 あんたに会いたくてたまらなかったのはさ、そん時のことが影響しちゃってんじゃないかって思う。
 ちっちゃい頃、いつも寝る前読んだ漫画の夢を見るみたいにさ、夢で見ることって無意識の中で一番深い思考になるっていうじゃない... ... 。
 夢の中で、あんたは何度も俺に、目を覚ませと言ったんだ。
 あんたは俺にばにいて欲しいって。 夢の中の室井さんに、こんなセリフをつけるなんておかしいんだけどさ」

青島の顔に浮かんでいた自嘲の笑いが、ぴたりと止まった。
室井がもう一度、青島の耳元でその言葉を口にしたからだ。
同じ言葉、同じ音程、細かい震えまでが同じだった。
現実世界の室井と夢の中の室井が一瞬にしてひとつに溶け合っていくのを青島は感じた。

「俺のそばにいろ... ... 」

青島の首筋に埋めた室井は、唱えるように繰り返す。

「こんなこと、二度と繰り返すな... ... 」
「室井さん」

室井がこんな弱々しい口調で話すのを聞いたことがなかった。
今夜の自分の姿を青島の夢の中のように去らせたくないと思っているのだろうか。
でも、今もう一度、あんたに引き止められたんだ... ... そうでしょ?

青島は背後から自分の腕に抱きつく室井を、振り返って顔を見ようとしたが、室井は手を離さず、顔を首筋に埋めたままで、表情が読めなかった。
まだ湿っている室井の前髪が自分の肌を撫でると、青島は首を竦める。

「まさか室井さん、泣いてるんじゃないよね」

探るように冗談で誤魔化してみる。
それでも返答がないから、急に心臓が早鐘のように脈打ち、不安に駆られる。
思い切って身をよじると、最後の瞬間、脇腹に激痛が走り、青島は思わず呻き声をあげた。

室井がハッと顔を上げた。 いつも凛としている黒い瞳が、今は潤んでいる。

「痛むのか」

緊張した面持ちで視線を向け、室井は青島にまわしていた手を離した。
痛みはすぐ消えた。
青島はゆっくりと身体を動かして、元の状態に戻り、自由に動かせていることを確かめる。

「ん、大丈夫。たまにあるんだ。それより」

青島はくりんと目を瞬かせた。

「そっかぁ、室井さんでも泣くんですね」

今度は室井が顔をそむける。

「先に泣きべそ掻いてたのはおまえの方だろう」

小学生じゃあるまいし、どっちが先とか問題じゃないっか... ...
青島は心の中で苦笑した。

「室井さんっ」
「 ... ん?」

室井のパジャマの襟元に指先を伸ばし、室井が次の言葉を口にする前に、青島は身を乗り出して、正面から相手の唇に小さなリップキスをした。
ありがと。
唇が薄っすらと開く。
至近距離の室井の目が、驚きで丸く見開かれた。

真新しい家の真新しい掛け時計の針は、静かに十二時を回っていた。

次のキスは、その日の最初の一秒後に起こった。



end. New days beginning.












作:レナさま/翻訳・一部意訳:みんと
20200423

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Beautiful Days will definitely coming!!
みなさまも元祖室青の王道ラブストーリーに浸れましたでしょうか。
短髪あおしまくん!絶対くそかわいい!失態を犯した室井さんが、それでも青島くんへの愛を止められず深い想いを溢れさせるキスシーンがお気に入りです。
そしてラストシーンで、夢と現実が重なるオチが綺麗すぎてドキンとなる。
危うい感じがまたなんてピュアな余韻なんでしょ。この夜、ふたりはどうなったんでしょうね~~~/////


中国語はまったく不勉強の管理人ですが、ネットには翻訳ツールというとても便利な機能があって、ちまちま訳してみました!
ツールによって若干文脈に変化が出るのも新鮮でした。中国語面白かった。ここでこの漢字を当てるのか~とか興味津々でした。

それにしても・・・・腐女子のエネルギーってすごいわ~~~~自分でびっくり。萌えのためなら翻訳もやる。