登場人物はふたりだけ。恋人室青。デートマニュアルなどなく理詰めで外堀から埋めるのが室井さん。でも青島くんには理性が飛ぶ。
A面とストーリーに繋がりはありません。
デート~B面 室井慎次のトリセツ
1.
「・・ァ・・ッ、やめ・・っ、」
暗い路地の奥から微かな声が聞こえる。
大人であれば容易に想像のつく、色を含む淫声。
「騒ぐなよ・・・」「おい、そっち押さえろ」
衝突音と暗騒音。
ロードノイズに混じる、複数の男たちと漁るような濁音に室井は眉を潜めた。
「イイコにしてりゃあ痛い目はみないぜ」
「い・・に、・・きな・・ったのが・・ぁんたら、だろ・・・」
声の主は複数あった。
途切れ途切れに聞こえる一つの声にだけ覚えがある。
「嫌なら抵抗してみろよ、できるもんならなぁ・・・ッ」
「ァ・・、ン・・ッ、・・・ゃ、・・」
「おい、縛るもん持って来い」
「ンッ、・・ク、」
「ハハッ!震えてるゼ、どうせ一人じゃなんもできねぇんだろ!法の中でしか動けない腰抜けだ」
近づくと、声ははっきりと聞こえた。
「ネクタイで縛るか」
「く・・そっ、ンッ、・・ふざけ・・・ッ」
「すげぇ、そそる顔」
衣擦れの音。荒い息遣い。下卑た忍び笑い。
「粋がりやがって!それともそういうプレイが好みかよ・・!」
「イイ身体じゃん、男で喘がせてみようぜ!」
「おい、順番だかんな!俺にもヤらせろ!」
口々にせせら笑う声は三種類。
路地の角に音もなく立ち、ダークスーツを陰に溶け込ませ、気配を消してから室井は奥手を盗み見た。
暗がりで三人の男が囲うようにして男を一人壁に押さえ付けている。
コンクリートに布が擦れる音。ピチャリとわざと建てられた肌を舐める水音。
絡み合うように混じる影が醜怪な影を揺らし、ボディブローで戦意を挑発する。
「・・ァ・・ッ、くぅ・・ッ」
膝からガクリと落ちる身体を頭上の両手で縫い留め、影は舐めるように男に纏わりついた。
「なぁ、俺のムスコ、後の穴で可愛がってくれよ」
「ざっけんな・・っ、オトコに興味、ない、っての・・!」
「スグ啜り泣いてケツ振るはめになるよ」
「汚っねぇ手、放せよッ」
「活きがいいな、ぐちゃぐちゃにしてみてぇ~」
両手を駆体の良い男に掴まれ、脇を取る残りの男が、押さえ付けている男の顎を持ち上げ、淫猥に耳に舌を挿れた。
キッと強気な瞳が、容易く制圧されないはねっ返りの威勢を見せる。
「わりぃ俺、勃ってきた。燃えるわ」
「お互い様だねッ」
好き勝手に卑猥な嘲笑を零す男たちを下から睨み上げ、不自由な身体を捻って男が――青島が僅かな抵抗を試みた。
「君たちにわね、くっさいメシがお似合いだよ!」
「だったらお望み通り三人マワシテもらおうか!」
「いいかげん、に・・!!」
冷静に振り払おうとする青島の腕は頭上に縫い付けられたまま、残りの男がシャツの袷に手を掛ける。
力任せに引き裂いた。
露わになる若い肌。
室井が眉を寄せ、助けに入ろうとした、その時。
「・・っんで!俺がこんな目に・・、合わなきゃならねぇーんだよっっ、こンの、クソ下衆がぁぁ!!」
青島の長い足が鋭い勢いで手首を抑えつけている男の股間に華麗にヒットした。
続けて鳩尾に見事な足蹴りが決まる。
呻き、前のめりになった男に、青島は手首を捕らえられたままもう一度深く膝を入れる。
手首の拘束が緩んだその瞬間、青島の回転した美麗な足が男たちの腹部を撒き込んで鮮やかに蹴り上げた。
「・・ッてっめぇ!」
「んなカンタンにヤらせるかぁぁ!!」
「大人しく股開いてりゃいいんだよ!」
「啼かせるほどの逸物付いてんだろうなぁぁ!おっまえらみたいなのが居るからおまわりさんが苦労するんだよッッ!!」
「んだと!泣きべそかいてたくせに!」
「かいてねえぇぇぇ!!」
・・・逮捕術も何もあったもんじゃない。
「ヒイヒイ啼く前に媚びてみろよ!ビッチ野郎!」
「てめぇら、どうせ鬼ごっこもしたことないんだろ!こちとら加減なんか知らないからな!タマに当たって潰れても知ったことかァ!」
「調子付きやがってこのアマ!」
「俺はオンナじゃねぇぇぇぇぇ!!」
最早何で揉めていたかすら忘れているだろう。・・・双方共。
「ヤっちまうぞ!」
「おぅ!こっちだって殺っちまうぞ!」
「可愛い顔して生意気なんだよ!」
「ワルイ子にはおてんとさんが黙ってないかんね!」
「あんまナメた口聞いてっと外歩けなくさせっぞ!」
「ンだとコラァ!!」
ああ・・・。
「まるでチンピラの喧嘩だな・・・」
室井は直立不動のまま呆れた顔でぼそりと呟いた。
いい加減、堪忍袋の緒が切れていたのか、身分も常識も捨てたような青島と、ヒートアップした男たちの暴走は
猥雑な都会のアスファルトの上で弾け飛んでいた。
目の前では、風を切る音が身軽な青島の身体を取り巻き、ジャケットがはためくそこから強靭な捻りで、青島が男の腕を巻き上げる。
引き寄せると同時に足が出る。
――足癖が悪いな・・・
だが動きはいい。
ろくでなし集団と成り果てた諍いは、多勢に無勢という常識さえ打ち破り、無鉄砲な男の優勢となりつつあった。
手が付けられない暴君の体術をしばし観察することにして、室井は頭の隅でこれは加勢しなくてもいいなとぼんやり考える。
淡い髪を散らしながら青島が次々男たちを地面に捻り倒していくのを、室井はゆたりと路地に背を預け、足を組み、眺め続けた。
「クソ・・ッ、覚えてろ!」
「ばぁか!覚えてたらタイホだよ!!」
血の付いた口端を袖口で乱暴に拭い、青島が捨て台詞に応酬する。
男たちがワラワラと差って言った。
へへんだと誇らしげなやりきった顔をして、破けたシャツが頬を掠ったとき、青島もまたかなりの流れ弾を受けていたことに気付いたらしい。
ぺろりと紅い舌を出して血の出る腕を舐め取った。
首筋から胸元へ、肌を伝う汗が青島を、スポットライトのように街角の電灯が輪郭を銀色に切り取らせる。
しみるのか顔を顰めた時、青島の視線が室井を捕えた。
「・・!」
清艶な瞳が夜の帳に浮かび、室井は息を呑んだ。
手負いの獣のような光る瞳は妖艶で、荒々しさの中に宿る禁断のエネルギーに一気に捕り込まれ、それは室井の剥き出しの感情に突き刺さった。
なんて瑞々しい嬌艶なのか。
原生の生命力は全てのものを魅了する。
驚き硬直したまま、同じく固まっている青島に、室井はいつもは深い漆黒の瞳を曖昧に揺るがせて、影と一体となっていた身体を人工灯の元へ浮かび上がらせた。
「・・、すまん、これでも一応助けに入ろうと思ったんだが」
さっきはあんなにも挑戦的で強気な目をしていたのに、青島の瞳は一瞬にして脆く崩れそうな色になった。
「なんであんたまでここに来るんです・・・」
「ピンチに駆け付けたヒーロー・・・には、見えないか」
己を見降ろし、室井は棒立ちのまま冗談とも本気とも取れない言葉を口にした。
恐らくこんなことはしょっちゅうなのだと室井は思った。
男に絡まれ、男にそういう対象で見られたり下品な欲望を押しつけられたり。正義感で護ろうとしているうちに要らぬ反感を買ってしまったり。
それくらい、青島のベビーフェイスで印象的な瞳と、人より整った面立ちは、男女問わず目を奪い、人の庇護欲と加虐心を同時に煽り、良くも悪くも惹きつける。
加えて、当人の挑発的な性格が、騒ぎを大きくする。確かに問題児なだけはあった。
「加勢なんていらないですよ」
「これでも君たちよりは心得があるが?」
「違うよ、あんたが出てきちゃオオゴトになるでしょ・・」
いつまでも立ち尽くし見つめ合っていても仕方ないと、室井は足を進めた。
徐々に近づく室井を青島は金縛りにあったように立ち竦んで見据える。
目の前まで近づくと青島の被害状況がより鮮明となった。
シャツはボロ雑巾のように千切れ、ボタンが幾つか消失している。
スーツには泥と血が付き、よれよれだった。
ネクタイはとうに行方不明だ。
ボロボロに着崩れたジャケットから艶肌が夜の照明に青白く浮かぶ。
室井は軽く目を走らせただけで何も言及せず、そっと片手を伸ばした。
割れものに触れるかのような仕草で室井の神経質な指先が青島の頬を掠める。
「こんなに汚れて・・・。歩けるか?」
「・・・なんとかね」
そっか、と吐息の強さで室井が頷くと、青島はまた泣きそうな顔で口唇を噛んだ。
申し訳なさそうな、厚意を受け止められないような。その表情に室井もまたやるせない笑みを乗せる。
問い詰めたって、今夜の騒動原因すら室井には口を割らないだろう青島に、これ以上追い詰めることはしなかった。
「行くぞ」
「一人で戻れます」
「車を待たせている。大人しく連行されろ」
「でも」
「まだ仕事中なんだろう?持ち場を長く離れるな」
「・・・」
「送らせてくれ」
ゆっくりと手を引くと、青島はのろりとした動作で促された。
背後で大きく夏の大輪が咲いた。
2.
「ぃ、いたい・・っ、」
「当たり前だ」
「しみるって・・っ」
消毒液とテープを両手に持って室井が憮然とすると青島も合わせてむくれてくる。
擦り傷を丁寧に消毒する室井が、じっとしろ、と小さく命令するが、青島には届かないらしい。
「無茶をする前に私のとこへ来いと言った筈だぞ」
「室井さん、へたくそ。もっとこう、・・・」
素知らぬ顔で室井はオキシドールを含ませた綿をべちゃっと押し当てた。
「うきゃっ」
花火大会運営本部の事務局には誰もいなかった。
この混雑だ。皆、出払っているのだろう。
奥の救護室に二人で籠もる。
開け放した窓から夏の夜風が入り、藍紺の夜空に上がる花火が部屋の中を色を変えて浮かび上がらせた。
手前の茂みが花火の仕掛け場所らしく、雷鳴のような震動が響いてくる。
「頼れと言ったのに頼らないからだ」
そうは言っても、青島は決して室井を頼ったりはしないんだろうなと思った。
どこまでも頑張ろうとする奴だ。だけどもし無理だと思ったら一人になるなと、一人になるくらいなら頼って来いと。
いつだったか言った覚えがある。
青島は目を丸くした後、くしゃりと顔を歪ませて俯いていた。
「んんっ、もっとやさしく・・っ」
「充分優しい」
「・・それ、ぴりぴりするもん・・」
「そういう薬だ」
「んで俺だけ・・」
「自業自得だ」
目線が合う。
上目遣いで室井の機嫌を伺うようなボロボロの姿に眉間を深めれば、青島が申し訳なさそうな顔をする。
室井が呆れた溜息を大袈裟に落とせば、ようやく青島が柔らかく眼尻を緩めた。
無邪気で警戒心のないその顔に、室井もようやくこうして二人きりになるのは両想い以来だということに思い至る。
部下でも相棒でもない素の青島が見えて、急に緊張した。
「あの、さ」
「ん」
「・・・怒ったんですか?」
「――叱られたいのか」
ぷるぷると、犬が水滴を払うように青島が頭を横に振った。
おかしくなるが室井は淡如を装う。
「室井さん怒るとこわそーだし、遠慮しときます・・・でも、カレシとして構われないのもなんだかなぁ~なぁんて・・・」
徐々に言葉尻が消えそうになる弱気に呆れ、室井の顔は不自然に強張った。
仕事大好きな青島が、職務中にそういうことを口にしてくるとは思わなかった。
不意を突かれた形になった室井は、ただその真意を推し量るように青島に視線を向ける。
「やっぱり室井さんは室井さんなんですね」
どういう意味だろうと室井の虹彩が闇と同じ色に曇った。
「そんなことはない」
どうだかなぁ?と揶揄う口調で青島が室井の顔を覗き込んでくるので、デコピンして適当にあしらってやる。
わんぱくな顔はいっそ少年のようだ。
「傷だらけの恋人に何を言えというんだ君は」
ようやく付き合う許可をもらえても、室井には戸惑うことが多かった。
キャリアとしてエリートコースのイロハも、エスコートのマニュアルも叩き込まれてきたが、まさかこんな跳ねっかえりに惚れる日が来るとは想像していない。
当然、室井の数少ないデートマニュアルにも、男を相手にしたフローチャートなど存在しない。
情が深く、一途で真摯で、室井の中に強く深く刻み付ける癖に、それを裏切るかのような儚く脆い色彩を湛える青島に
綻びは性懲りもなく、室井の知らない室井を燻し出す。
そもそもデートマニュアルというものがあったとして、それは青島の取説になるのか?
必死に口説いた。ふわんと腕の中に落ちてきた。忘我の内に手に入れられたこの恋の結末だって、想定外だ。
「どうせ言わなきゃバレないとでも思ったんだろう」
「不可抗力ってあるんですよ」
「事務局にも動く時は組でと言われたろ。相方はどうした」
途端、青島が渋い顔をしてそっぽを向く。
「・・しくじった.・・」
言わんとしていることの多くを察し、室井もまた天を仰いで溜息を吐いた。
「始末書の達人になれる」
「おうよ」
尊貴な物言いで冗談を装いながら青島が室井の手をそっと避けた。 細長い室井の指先とは異なり青島の丸みあるぽってりとした指先はしっとりと温かい。
もういいよ、という合図だということを察し、室井は薬箱にオキシドールやピンセットを仕舞った。
ドーンという花火の衝撃音。
ここは会場に近いせいか風向きも良いのか潮風に乗って火薬の匂いと歓声が遠くに届いた。
ガラス戸もビビビと震動している。
雲一つない夜空が彩る光景を、そう言えば真面目に見たのはいつ以来だろうか。
「室井さん・・・今日のおしごとは?」
「もう上がった」
「そですか・・・。じゃあ・・、」
その先の期待を口に出来なくなった青島の言葉尻も、花火の音に掻き消される。
もしおまえに会いに来たんだとストレートに口にしたら、青島はどんな顔をするんだろう。
室井とて言えそうにない言葉を仕舞い込むと同時に薬箱も戸棚に仕舞いに行く。
毎夏、湾岸地区恒例の花火大会の警備に湾岸署は総出で宛がわれる。
だからしばらくは会えないと青島から聞いていた。
建付けの悪い木製の戸棚をギシギシと締める音がやけに大きい。
湿度の高い夏の大気は、エアコンのない室内では、夜でも素肌に纏わりついた。
コツ・・と磨かれた室井の革靴が踵を返し、窓辺に並べられたスタッフ用テーブルに向かう。
氷を入れ、冷えた麦茶をグラスに二つ注いだ。
こぷこぷと注がれる音さえ、何故か大きかった。
「・・、花火。見物していったらどうですか。プログラム見たけど、これから見せ場なんですよ。夏気分、上げてきたら」
「中年男が花火か?」
「なんだったら・・誰か誘って・・・」
「女でも誘えというのか」
「・・・喜ばれます」
「あのな、本気で怒ろうか?」
「・・・」
「前に言った。おまえじゃなきゃ駄目だと。私はおまえを選んだ。それ、信用出来なかったか」
困ったような、たじろいだ気配だけが背中越しに伝わり、青島からの返事はなかった。
室井は注いだグラスを二つ持ち、一つ青島に渡すと、また戻り、今度は入り口の扉に向かう。
椅子に座ったままの青島がそれを不安気に目で追った。
それ以上の言葉を与えない室井に、部屋の空気もぎこちない。
室井は入り口の扉を閉め、電気も消す。
途端、包まれる深い闇。
開け放たれた窓が夜光を取って青銅色に光った。
「花火。見るんだろ」
「・・・・・ハイ」
パッと夜空に大きな赤の大輪が咲く。
麦茶の入ったグラスを軽く当て鳴らすと、青島は柔らかく目だけで笑い、そのまま喉仏を上下させ、美味しそうに飲んだ。
闇に浮かぶ美麗な輪郭に、室井は目のやり場を失う。
パッと逸らして、自分の麦茶を見つめた。
その水面に、また一つ、緑の大輪が散っていく。
「あっ、今度は色が変わるんだ・・!」
丁度正面に上がる花火が、室井に混沌と渦巻きせめぎ合う心を、騒めかした。
瞳を輝かせて花火を見上げ、室井を振り返る青島の瞳に、無邪気で無防備な情愛を見る。
その青島の艶肌が汗を弾く。
本当は嬉しいくせに、口には絶対しないだろう本音が、花火に透けていた。
「ねっ!室井さんっ」
本気で楽しみ始めた青島に、そっちのけとされた室井は花火よりも青島を見つめ、目に焼き付けた。
こんな風に、仕事以外で青島といられる時間を許されて、呪縛されたように目が反らせない。
「みんなに・・・言ってしまおうか。私たちのことを、だ」
「!」
「そうしたらおまえも余計は気遣いしなくても済むだろう?」
「急に誰に何を言いだすつもりですか」
「・・・・・・嫌なら止める」
淡々とした室井に青島がぎこちない狼狽を見せ、俯いてしまう。
「イヤっていうか・・・、照れくさくないの」
「隠し続けることで護れるものも大きいが・・・君に傷を作っている面もある」
乾いた喉を潤した麦茶の冷たさが室井の気持ちを冷静にさせた。
室井の薄い口唇が穏やかな言霊を夜に綴る。
「本当はもう俺から言ってしまおうかと思った。でも恐らく偏見や中傷に合いやすいのはチームを敬する所轄の方だ。だからおまえの許しをもらってからと」
「室井さんの方が立場的にマズイんじゃん?」
「・・・どうかな」
確かにキャリアは身から出る錆が命取りなる。
だがその分、弱点を利用しようと階級を上げるほど幾つも在らぬ噂が付き纏い、過剰装飾されている。
今更一つくらい増えたところで、拍が付くだけだと室井は不敵な笑みをもらす。
官僚にとって真実を毒にも薬にもするのは所謂才能なのだろう。
マニュアルを持たない恋愛は、手探りというよりは、無防備だ。
感情の振れ幅が激しすぎて、普段なら冷静に分析する思考も判断も奪ってしまう。
突如一人称が崩れた室井に、隣に座る青島が華奢に見上げてきた。
傷だらけの顔で、真っ直ぐに室井を認める青島の瞳は幾重もの光の輝きを反射し、ただ煌めく。
「室井さんは・・・・大丈夫なんですか?」
言われて、心が震えた分だけ、室井の指先も震えた。
ただそれだけの言葉に、室井の孤独な心が潤い、満ちていく。
自分のことよりも、室井を気遣ってくれるその優しさは、キャリアの中では得られない。
それを得た自分は、多分、誰よりも強くあれると室井は思う。
「君でも、世界を憂いたりするのか」
「室井さん、俺はサイボーグでもロボットでもないって」
「言い訳はしないのだと思っていた」
「そりゃね。でもさっきのは俺だって正当防衛は主張させてもらうけど・・・」
「戦ってるんだな」
「おうよ」
バリバリと金色の火花を散らして舞う花火が夜に溶け込む二人の輪郭を朧に一瞬切り取っていく。
「なんで急にそんなこと思いました?」
「君が・・・本気にしていないようだったから」
ごつんと、座ったままの青島の足に隣に立つ室井の足を蹴られた。
本当に足癖が悪い。
青島はたぶん知らないのだ。自分がどれだけ欲しがられているのかを。
持て余す飢餓が傲慢な愛情を押し付けてしまいそうにまで既に決壊し、溢れ出していて、本当はそれに気付いてほしいことも。
そんな彼にもう一つ、室井が秘密を強制させたいことも。
「勝手に。いなくなるなよ」
花火の閃光が青島の瞳の奥にまで入り込み、ビーズのように散りばめた。
「あんたさ、上から命令されたら、俺のこと、ちゃんと見殺しにしてよ」
「・・・」
「それだけは、護って」
どこか祈るような青島の声に、身体だけではなく心が軋むように震え、室井は奥歯を噛み締める。
室井の幸せを自分よりも願ってくれた男がいる。
「まだおまえと寝てもいないのに?」
いつかは抱くぞという宣言とも取れる室井の台詞に言葉を失って青島が固まった。
暗闇で視線を彷徨わせて、困ったように頼りなさそうに飴色の瞳を闇に色付かせる。
青島から目を反らすことなく室井は低く、呼びかけた。
「青島」
「・・はい」
「抱き締めても、いいか」
「いいいい今?ここで?」
「・・・」
「・・・・・・ん」
青島が窓際にグラスを置いて無防備に両腕を前に差し出す。
来い、と言ってくれているのだろう。
それに甘え、室井はぎゅっと青島に抱き付くように腕を回した。
もし俺が青島から愛される事が出来たら、それはどれ程幸せだっただろうかと、ずっと考えていた。
室井の筋肉質の腕が青島の身体を包み、その胸にしっかりと押さえ込む。
二人の黒い影が一つなって重なった。
「――あ。でっかいの、来る」
耳元で言われ、右手を青島の腰に翳した室井の手が少しだけ力む。
きらきらと火花が光の軌跡を描いて反射し、地響きのような轟音が続いた。
「火薬には色んな色があるんだな」
「ロマンもくそもないコメントどーも」
「青島。・・・護られたいか?」
照明弾のように花火に一瞬だけ浮かび上がり消える躰がまるで儚く消えていく花火そのもののようで
室井は回した腕で輪郭を確かめるように青島の熱い身体を包んだ。
髪。うなじ。細作りな肩、そして見目好いボディライン。
その仕草を赦しながら照れたように青島がぱふんと室井のスーツに顔を埋める。
「俺さ、今だけならいいかなって思ってる」
「・・・」
「こうやって、話せて、逢えて、キモチ確かめあって」
「それだけか」
「それだけだよ。俺はこれでよかったと思います。あんたを傷つけることなく死ねるんだ」
「臆病者。俺は・・・おまえになら、傷つけられても良かったんだ」
室井には、どうしたら青島が安心してくれるかが、分からない。
青島にとって、どういう自分で向き合えばよいのかまだ掴めずにいる。キャリアとしても、男としての未来も。
恋人として完全に向き合ってしまうことで、青島に見放されるのを避けたかった。
口説き方が分からない。
エスコートの仕方も知らない。
惚れさせる自信もない。
取説どころか、なにも持たない中で、ただ身体の裡から訴える強烈な飢餓が、理性を狂わせ、思考を乱し、形振り構わず雄の本能を解放する。
「いざという時、おまえが保身に走れというのなら、従おう。だが掻っ攫いに行ってもいいか」
「そんころには俺も可愛いカノジョと寝てっから」
「ひどいな」
「ひどいんですよ」
「でもいい。おまえの無鉄砲さに最後まで付き合える女がいるとは思えない」
「それ、振られるって前提?」
「振られてしまえ」
それでも室井は青島よりずっと大人な分、達観していた。
この花火のように、人を魅入らせるものには必ず罪と毒がある。
背徳も原罪も知らないその辺の女が、青島の全てを手に入れようだなんて、甘いのだ。
赤子をあやす様に、室井が柔らかい青島の細髪を指先で弄ぶ。
「きっと、おまえを甘やかして満たせるのは、この世で俺だけだ」
自分の中に眠る獰猛な獣を呼び覚ます真似をされ、意志の力だけでどうにかできるほど、人間の感情は精巧ではないと、室井は知った。
火傷しそうな熱が身の裡から与えられ、注がれる信頼とカラフルな情愛と切なく哀しい鎧が、根こそぎ狂わせ
中途半端な理性が、どれほど無意味で無力なものかを知らしめる。
大人になるほど心情の吐露に枷を付け、その枷が己の矮小さを見せつけるのだ。
青島がいうような、そんな綺麗なもんじゃない。
きっと青島も、こんな醜く爛れた欲望も情愛も知らないのだ。
もう放してと青島の口が動く、その前に。
「待てるか」
「・・・、もぉ。そのくらいの覚悟なくて付き合えません」
「かっこいいな」
「まぁね」
うかうかしていたら、室井の方こそ彼に手を出す資格を失ってしまう気がする。
童貞は御免だ。
「でも」
不意に声の調子をワントーン上げ、色香を巧みに放ち、青島が室井の肩に顎を乗せた。
耳元に、そっと囁かれる。
「あんたとナイショの秘密、共有するってのも・・・悪くないね」
「!」
「俺をこんなに夢中にさせたんですからね。責任は取ってもらうよ」
責任。責任ってどれについてだ。とりあえず嫁にもらって良いなら今すぐ掻っさらう。
混乱した室井の視界に、空のグラスが汗を掻いて窓辺で並んでいるが目に入る。
夏の暑さを思わせるグラスに、また一つ夜空に咲いた大輪が、色鮮やかに写り込んだ。
「それは・・・怖いな。おまえは何をしでかすか分からないから。毎回責任取っていたら俺の身が持たん」
「アドリブな俺も好きって言ってよ」
間髪入れず、拗ねたような声で言われて。
「どんなおまえでも問題ない」
耳元で返したら、青島が嬉しそうに吐息で笑った。
これから何度、君に伝えることになるのだろう。
愛してる、ということを。
この泣き崩れそうな愛情を。
「ほんとはね。・・・信じるよ。あなたを信じてる・・・ちゃんと、待つから」
信頼という在り来たりな言葉に含まされた青島の切ない想いが、その口ぶりに込められているのを室井は音で感じ取った。
室井にはこの澄み切った存在を受け止める資格があるのかどうかも分からない。
ただ、もう、離せない。
闇に紛れ、室井は青島の腕を取り、身体を屈めた。
そぅっと、敬虔に、額に触れるだけのキスをする。
額の中央に、柔らかく押し付け、室井はゆっくり目を閉じる。
うひゃあと小さく発した青島もぎゅうっと目を瞑った。
違う体温が、口唇からじわりと伝わるふたつの影が、窓に描かれる。
ゆっくりと瞼を上げれば、青島が詰めた息を息苦しそうに吐き、長い睫毛を震わせ室井を見上げた。
朧な闇の中、視線が交錯する。
また花火が上がって、頬が半分だけ赤く染まった。
視線は外れない。
熱い息と、夏の熱。じわりとした湿度が汗ばませて。
ゆっくりと室井が顔を傾けた。
甘そうなベリー色の口唇が闇に溶け、目の前で吐息を浮かべ、くらりとした熱と視線に室井の平衡感覚さえおかしくなる。
何をされるか察した青島の顎がうっすらと持ち上がった。
「青島・・」
「室・・井、さん」
溜息と同時に名を呼ばれ、胸が潰されそうに圧迫するまま、室井は初めて青島の口唇を掠め取った。
思わず室井はきつく目を閉じ、弾けそうな衝動を抑え込む。
なんていう弾力と熱なのか。
ファーストキスではないのに、初めてのキスは、弾ける衝動が室井の全身を走り抜けた。
押し付ける分だけ跳ね返すような肉感に陶然となるままに、片手が無意識に青島の後頭部を押さえ付ける。
望まぬものまで押し付けらてばかりだったから、望んだ時に手に入った青島が、切なく愛おしい。
確かに手に入れたのだと、室井は噛み締める。
青島が微かに顎を上げ、応えるようにふくよかな膨らみが遠慮がちに吸い付く。
微かに震えているような気がするのはどちらの口唇だろう。
ゆっくりと解放してやれば、視線を受け止めることさえ、恥じらった。
「・・・これだけ?」
「今はな」
しんとして、遠くで連続して花火が上がる音に一際大きな歓声が交じる。
「ずっるいなー」
それはどっちだと思ったが言ってやらない。
向き合ったまま、俯く青島が横に視線を逸らす。そういう青島だって頬が赤い。
「そうやって口説くんだ」
「逃げられると追いかけたくなる仕事柄だ」
「逃げろって言ってる?逃げるなって言ってる?」
嫌がられていない気配に押され、一拍置いて、同じ性を持つ男の肩を室井がやんわりと引き寄せた。
もっと求めても良いんだろうか。
本当は少しでも触れたい。少しでも近づきたい。少しでも知りたい。もっと。深くまで。
花火に時折照らされる漆黒の瞳の中には深い焔が宿っていた。
室井をまっすぐに見上げてくるその瞳にも黄色い花火が映り込む。
少しだけ雄の傲慢さを覗かせた室井に、青島は揶揄うように室井を覗き込んで来た。
「一度狙った獲物は逃さない主義だ」
「そうでしたね」
「俺は逃げ場を残すほど、君ほど、甘い男ではない」
「室井さんがね、“俺”って言ってると、なんか気を許されているみたいで、実は嬉しい」
「赦しているのは気だけだと思うか」
「・・・・」
黙った青島を見つめ、室井は雄の支配欲を滲ませたまま、顔を傾ける。
芳醇な膨らみに口唇を重ねた。
しっとりと濡れるふくらみが、ゆっくりと発酵するように香り立ち、本能的を根こそぎ揺さぶってくる。
「ッ、・・ぁ・・」
「足りない」
囁き、今度こそ隙間がないくらい室井は口唇を密着させた。
先ほどの不良たちのしたように、青島の両手首を取った。
振り払われることはなかった。
赦してくれる。それが室井を傲慢な雄にする。
きゅっと握ったままの青島の指先が、幽かに震えを見せ、両脇でしっかりと握り止め、室井は顔を傾け口唇を重ねる。
夏の花火が二人の背後で一瞬の残像を残し、消えていく。
幾つも幾つも上がって。
逆上せそうな大気の中、熱を孕む吐息が幾度も上がり、汗ばむ肌が翡翠色に浮かび上がった。
汚れた気持ちで室井さんに触りたくないんですよと青島は言った。
俺は自分の力で戦いたい、貴方の隣の相棒だと胸を張りたい。それができないんなら俺はあんたにはふさわしくない、と言う。
貴方には俺なんかよりずっと相応しい人と幸せになってもらいたいです、と嘯く。
そう言って、あの日、目の前の瞳はどこまでもらしくない顔で、ふにゃ、と笑った。
その時になって初めて気付いた。
約束が繋げる誓いの言葉のような、永遠の結束。身も心も未来も委ねてしまう完全な共有。
同種の意識が見せるシンクロした幻想を、奇跡や運命などではなく、クロージング効果は脳内のアドレナリン分泌を高め、根源的な欲望を錯覚させる。
実際は頼りない口約束の、薄氷を踏むような拙い過去でしかない。
ただそれだけだったことに気付いた時、交際を受け入れてくれた青島に、絶望的な歓喜と気が狂いそうな飢餓を感じたのだ。
「ん・・・・、・・っ・・・、」
微かな青島の呻く音が花火に掻き消され、吐息が熱を孕んだ。
汗ばむ青島の肌が陶器のように美しく、引き裂かれたシャツを羽織っただけの兇悪的な姿は、極上に蠱惑的だった。
駆け引き上手な目元と、そこはかとない口唇に誘われて、室井は瞼を伏せながら、もっとと強請る仕草の可愛さに、舌先で室井が誘導する。
知らず、一歩を踏み込み、室井の胸板が青島に覆い被さる。
もうすぐ終幕なのだろう、クライマックスを演出する花火の連打に、合わせるように室井の心臓が鼓動していた。
暗がりで睦み合う二つの影が一つとなる。
殊の外長くなったキスは、烈しさこそないものの濃密な口接に、重ねているだけなのに身体を火照らせた。
強烈な酩酊感を覚えるまま、リードを取り、その切なげな表情が色っぽく、室井は顔を傾け、続けてやる。
きつく閉ざされていた青島の瞼が、余韻にゆっくりと持ち上げられ、その奥に隠された濡れた瞳を見つめた時
豊かな青島の嬌態が花火の影となって、粗末な部屋の中で狂おしく揺らめいた。
「青島、」
確実に降り積もっていく、眩しいような目を背けたいようなそれを、ただ一人、隠し持っていくのだと思っていた。
どうしようもなく理不尽で傲慢な要求の裏で、仄暗い背徳感と二人だけの秘密が、甘やかに爛れさせる。
重ねるごとに深まる接触に、噎せ返る夏と青島の匂いに危うい亀裂を予感したまま、もう抗うことは止めて室井は耽溺する。
舌を差し込まなかったのは、それでも錆び付いた室井の理性の勝利だ。
そのまま顎を伝い、首筋を辿り、室井の口唇がシャツの間に割り込んでいく。
「ンッ・・、ちょ、ちょっ・・とッ、たんま・・・、」
「・・・止まれるか」
「んぁ・・、くすぐった、・・っ」
浮かせた首の隙間に節張る指を差し込み、室井は息苦しそうな呼吸に煽られ思いつくまま吸い上げた。
戦慄く呻き声すらアンバランスな脆さを覗かせ、それもまた室井を劣情した。
甘く薫る肌に誘われ、ちゅ、ちゅ、と吸い付く。
「こんな痕付けられやがって・・・」
俺のものに。
不遜な思いで、室井は肌を舐め回す。
「ひゃっ、ちょ・・・っ」
「離したくないな。もっと、こうしていたい」
「それ・・っ、は、俺、もですけど、でも・・・っ、ンッ」
「青島、」
「んぁ、・・さっ、さっき、今はこれだけって・・・っ」
肩で激しく息を吸って、顔をぐちゃぐちゃにして、真っ赤な目を潤ませて。
これは演技じゃない。
室井は腕を回し、しっかりと胸に抱き留める。
息を飲む青島の呻く声が室井の耳を掠め、青島の力の抜けた腕も室井の背中に回って、一度だけ室井のスーツを掴んだ。
甘く痺れるような痛みだ。
「青島。俺を、好きか?」
「~~~っっ」
室井はただ抱き締める。
息を整える青島を待っていると、青島も室井の背に両手を回してきた。
「ねぇ、もしかしてさぁ・・これ、デートのつもりでした?」
「・・・」
「仕事にかこつけて、ってところが室井さんですね」
「そうか」
今夜のことは、室井にしては精一杯の口実だった。
こういうお祭りみたいなイベントは青島が好きそうだし、ならば青島は室井と見たいと思ってくれている。
むしろ、それを確認しにきたのかもしれない。
室井は腕の中のつむじを見下ろし考えた。
ぱっと室井の胸から顔を上げ、青島が途端、顔をくしゃりと崩した。
「あんた、顔真っ赤」
花火に照らされた二人の顔はまるで思春期の若者のように赤く染まっていた。
心臓が痛くて、爆ぜて砕ける。
暑くて、熱くて、呼吸が止まる。
燃え盛る夏に始まった恋は、なんて瑞々しく眩しいんだろう。
いつもとは違う兇悪な姿に当てられて、室井は伏目がちにもう一度甘い口唇に顔を寄せた。
「――すいませーん・・・あのぅ、誰かいますぅ~?」
「はははははいぃぃッ!」
椅子から飛び上がって、直立不動で青島が誰かの問いかけに応える。
室井を突き飛ばし、焦ったその顔が天井を向いた。
ここが管理事務局である無情な現実が戻ってくる。
折角捕まえた愛しい相手に逃げ出され、不満を残しながらも、室井も眉間を寄せる。
お約束な展開に、目を合わせ、次の瞬間、微笑みあった。
「行ってこい。ここは俺がやっておくから」
「・・・はいっ」
覚束ない足で青島がとててと去っていく背中を室井は見送った。
扉のノブに手をかけ際、青島が振り返る。
「あ!さっきの質問!!いつか!散々言ってやるからな!首洗って待ってろ!」
指鉄砲をして青島がウィンクする。
愛の告白まで喧嘩腰な青島に、室井は目を丸くした。
これが俺たちらしいのかもしれないと、なんとなく思う。
白いカーテンが夏の夜風に揺れていた。
「・・・好きに、なって、くれないだろうか」
本気で。
我を忘れるくらい。
青島が出ていった後の椅子に室井は膝から突っ伏した。室井も首まで羞恥で真っ赤に染まってくる。
今頃・・・なんだってんだ。
職務中にこんなこと。
公共の場でこんなこと。
たかがキスにこんな照れくさくなったのも、こんなに燃えたのも、いつ以来だったか。
青島は室井の中の眠らせている何かをいつも呼び起こす。
でも、と、今年最後の花火を室井は見上げる。
生涯の特別になれるかもしれない。
もっともっと本気で好きになっていく予感がする。
青島にもそのくらい、惚れてもらわないと。それが室井の本音だ。
今よりももっと。室井が想うくらい、もっと。
何度も何度も、傷つけた。
それでも側にいてくれた。
意地っ張りで、無鉄砲で、だけど一途な、相棒を。
踏み出して良かった。
いつか、そう言ってもらえるように。
***
「――・・・反則~・・・」
建物の外には顔を真っ赤にしながら闇雲に走る青島の姿があった。
Happy end

男のロマンと打ち上げ花火。終末的ダンスフロア5題のうちのひとつでした。
20170802