ショートショート~present
R18。苦手な方はご注意ください/みなさまもなにか送り付けてみませんか
たとえ話(微エロ注意)

「………………はぁぁ……」
「なんだ?」
「ん?」
「溜息」
「あー、すみません……俺、来週胃カメラやるんです」
「怖いのか」
「怖いっていうか、初めてなんでドキドキするっていうか………えと……………怖いです」
「思うほど苦しいもんじゃないぞ」
「室井さん、やったことあるんですか?」
「ああ」
「鼻から?」
「ああ」
「痛くない?」
「ああ。全く痛くないわけではないが」
「やっぱ痛いんだ……」
「何かを挿れるための器官じゃないからな」
「ですよね……」
「……あれと同じだ、鼻の穴をお前の尻だと思え」
「はぁっ?」
「で、胃カメラは俺のアレだ」
「何言ってんの?」
「太さは確か5ミリくらいだ、俺のモノよりずっと細い」
「その分、俺の鼻の穴が狭いですよ」
「だから、ちょうどいいんじゃないか?」
「その理屈、よくわかんないデス……」
「とにかく、大丈夫だ」
「そうなのかな……あとさ、オエーッてなるでしょう?」
「いや、鼻からなら、ほとんどならないらしい。俺はならなかった」
「へえ、そうか、ちょっと安心しました」
「まあ、なったとしても、あれだ、お前が俺のを口でしてくれる時に、うっかり奥まで咥えすぎてオエッてなるあれと同じだと思えば……」
「もうその例えはやめて」
「練習しとくか?俺の胃カメラで」
「…………変態」
※※※
「胃カメラ、どうだった」
「思ったより痛くなかったし、オエッてならなかったし、自分の体の中を見るのって面白かったですけど……」
「苦しくなくて良かったな」
「けど、室井さんが変な例えをするから…………」
「?」
「…………勃ちそうになった」
「…………」
「もー!俺、この先胃カメラするたんびにこんな思いするわけっ?室井さんのばかー!」
「…………すまない」
「ゆるせるわけないでしょ!恥ずかしかったんだから!」
「…………実は来月、俺も胃カメラするんだが」
「苦しめ!オエオエなれっ!妄想して勃っちゃえ!」
「…………お前の立場を疑似体験できると思ったら、楽しみになった」
「……………あんた、ほんと、へんたい」
20200331
満員電車(R18注意)

1.
定時間際の湾岸署。
用事を済ませて帰ろうとする私の後ろには当然、運転手として指名された青島がついて来ていた。
足を止めて振り返れば、なぁに?と、声には出さずに首を傾げて問いかけてくる。
思わず一瞬綻びそうになった顔にグッと力を入れると、眉間に大量にシワが寄ったのが自分でもわかった。
「晩飯、食いに行くか?」
「えっ、あっ……」
「今日はこのまま直帰だ」
「はいっ!少しだけ待っててもらえます?定時まで事件がなければ……!」
ひとりで外に出て、じっと待つ。
何度も腕時計を見つめる。
こんな時は、なかなか時間が進まないものだ。
何事も起こらないことを願う。
……あいつも今頃刑事課で、同じようにジリジリと時計を睨んでいることだろう。
あと少し、あと少しだ。
時計の針が定時に合わさる。
青島が、長い足がもつれないのが不思議なくらいに、めちゃくちゃに跳ねるように飛び出して来た。
コートには袖も通さず、鞄を無造作に掴んで。
*****
ホームに滑り込んできたのは、夕刻の満員電車だった。
電車はカーブに差しかかり、ゴトンと揺れる。
「うあっ」
ドアに手をついたはいいが、耐えきれずに倒れ込んできた青島を受け止める。
ドアと青島に挟まれる形で、車内の重みが私にのしかかる。
「す、す、すみませんっ」
「大丈夫だ」
ギュウウと押される人の重みで、密着する体と体。
互いの股の間に挟まった脚が、電車が揺れるたびに刺激し合い。
青島の耳が赤くなっている。
首筋の汗。
…心境は手に取るようにわかる。
「お前、すごい汗だぞ……大丈夫か?」
顔をひねり、わざと唇と耳が触れそうな近さで囁いた。
言葉なく、青島が小さく頷く。
声を出すことで、艶かしい吐息が溢れてしまうのを恐れているのかもしれない。
もう少しからかってやりたいところだが、さすがにこれ以上は……
……青島だけでなく、私自身も。
その時、反対向きのカーブで一瞬、人の重みが解かれた。
青島との間に出来た僅かな隙間から、スッと体を抜き、くるりと反転して青島をドア向きに押しつけ背後にまわる。
「え?なに?どうやったの?」
ドアに手をつき、車内の圧から青島を守る私の早業に、青島はきょとんとしていた。
「キャリアって、こんな技まで身につけてんの?」
「……お前、もう少し筋力つけろ。現場がこれでは困る」
「……ハイ」
「青島…………」
「なんですか?」
「飯、今度でいいか?」
「……え?」
「このまま、私の家に」
「あ……はい………」
青島の耳がまた赤くなった。
のんきに夕飯、という気分じゃなくなったのは、お互い様だ。
窓の外には海に広がる夕焼けが見え、車内をオレンジ色に染めている。
でもお互いの頬を紅くしているのはきっと、夕陽のせいだけじゃない。
きっと今、私の耳も、真っ赤だ。
2.
玄関の扉が閉まる音とどちらが早かったか。
破裂しそうな勢いで抱きしめた。
キス、キス、キス。
狂ったように欲しがるキス。
息をすることすら忘れるくらいに貪る。
求めても求めても、全然足りない。
体勢はさっきの電車の中と同じだが、玄関のドアに押し付けられているのは青島の方であり
がっつりと密着させた下腹部のその部分はすっかりと反応しきっている。
それはすでにゴツンと音のしそうな硬度だ。
青島も硬くなったものを遠慮がちに私の股に突き当ててくる。
息を乱して熱いキスに必死に応じているその顔が見たくなり、わずかに唇を離すと、いつもの勝気さが抜けて少しトロンとした目に見つめられた。
「……室井さん、電車の中の、わざとでしょ…俺の耳元で……ふ、んぅ」
不満げに尖らせた口を、触れるだけのキスで塞ぎ、徐々にまたそのキスを深めて行く。
電車の揺れを思わせるようにユラユラと昂った物同士を押し付けると、徐々にまた青島の腰も揺れ始めた。
布越しにも、よく知ったあの形がわかる。
快感を与えようとしているのか、得ようとしているのか。
せりだす腰をくねらせて、双方の欲望の形に沿って、ぐにぐにとすりつける。抱きしめ合っていた手が彷徨う。
頬に、耳に、髪に。
胸に…脇腹に…腰に……。
合わせた唇から、混ざり合った唾液がぬるりと流れ落ちた。
「あッ……ん、室井、さん、気持ちいぃ……やばい、おれ、なんか、もう………イキそう……」
互いに腰を掴み、引き寄せ、まるで挿入しているかのように腰を使いだす。
口づけは濡れた音をたて続け、行為そのものを模すように舌が絡みあった。
「ぁ……んふぅ……出ちゃいそう……服、脱が、なきゃ……ゃ…んん…」
そう言う青島の腰の動きは止まらない。
開放を求める腰の動きはいつのまにか青島の方が激しくなり、それを受け止め、私は互いのモノが擦り合わさるように動きを合わせてやった。
下着の中はもう、ひっきりなしに漏れ出ている潤滑液でグチュグチュだ。
たぶん、スーツにも滲み出てる。
手遅れなのはわかっているが、脱がなきゃさらに大惨事だが。
それでも、イヤラシイ腰の動きは止まらない。
お互いにもう、自分の意思で止められないところまできてしまっていた。
「あ…や、どうしよ、止まん、ない……止まんないっ…」
「もう、このまま……達け」
「やっ、やですよっ……ぁんっ」
達け……
「我慢、しなくていい……」
達け……
「あっ、あっ、室井さん…ダメ、むろ、い、さんっ……」
「あおしま…………んっ…あおしま…」
達け……
意識は腰に集中し、いつのまにか触れ合わせるだけになっている唇は、ひたすらに相手の名だけを呼ぶ。
早く、達け……!
「むろいさん、……あ…あ…やだ、イク……だめ、だめ、だめ、あっ、出るっ!…んっ、あっ、んっ……んんんんッッッ!」
青島の腰が強く室井に押し付けられ、動きを止める。
全身が一定のリズムで痙攣し、その振動もおさまると、青島はがくりと膝から崩れた。
弛緩した体を支えながら室井も一緒に床に座り込む。
大きくひとつため息をついて青島の背を抱えてやると、室井の首元に顔を擦り付け、青島は柔らかな髪を震わせていた。
「……どした」
「あ…ふ…恥ずかしい…………」
「恥ずかしがらなくていい」
ゆっくりと青島の背中をさする。
お互い、まだ息が荒い。
「……こんなの……ガキみたいだ……」
「大丈夫だ」
「………でも…」
「俺もだ」
「…………」
「……………………俺も、達った。だから恥ずかしがるな」
「へ?」
ようやく青島が顔を上げた。
すかさず、今度は室井が青島の首筋に顔をうずめる。
「室井さん?」
「…………」
「恥ずかしいの?」
「…………」
「室井さーん……あぁんっ」
汗ばんだ青島の首筋を舌先でペロリと舐めた。
…先に達きそうだった……こいつより先に出して、へたり込む事にならずに良かった。
「……このまま、食べたい」
「夕飯が先でしょ、腹減りました」
「……食べたい」
「やぁです!メシが先!ほらもう、コート脱いで!スーツもどうにかしないと!」
「……」
「………………ふはっ……くすぐったいですよもぉ。ったく、俺ら、靴も脱いでない」
「…………そうだな……わかった、脱がしてやる。おまえは俺のボタン外せ」
「はいはい」
愛液にまみれたスーツを脱がせあう……こちらの思う壺だと、青島はまだ、気づいていない。
20200416
作:カラシさま
贈答品6。感謝を込めて
1.いやもうほんと、室井さん何言ってんの!
2.切羽詰まったふたりえっち、ごちそーさまでした!