12. 満月と終電
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Side-A
冷たい床の上で四つん這いにさせられた青島の口からは、啜り啼くような声が断続的に漏れている。
男の熱塊を奥深くまで埋め込まれ、両手はネクタイで縛られていて、ラグマットも手繰れない。
時折、抉るように掻き回される腰の動きに、敏感な最奥を貫かれ、青島の背中が不規則に痙攣した。
緩やかな律動は止まる気配がない。
背後から犯す室井の怒張した肉竿は、容赦なく青島を翻弄する。

「ッ、アッ、んっ、・・ッ!ヒ・・ッ!」

普段は冷徹で、事務的な物言いしか出来ない室井だが、それはセックスでも同じだった。
耳を疑うような愛の言葉なんか、囁かれたことはない。
青島がベッドマナーだと信じていた、相手を褒めることもない。
ただ、欲するままに腰を振る。

「んぅ・・っ、ふ・・・、ぁ、・・アッ、あぁ・・っ」

こんなセックスもあるのかと、爛れていく思考の裏で青島は流され朦朧とした意識を繋いだ。
欲望だけを押し付け、愉悦だけを与え、意識を繋ぎ止めるギリギリのラインまで昂らされる。
不完全な態勢を強いられ、快楽の逃げ場もなく、肘を付いて腰を高く掴まれて青島は室井を貧欲に受け入れていくしかない。
拷問のようで、褒美のような断続的な刺激が徐々に濃密な快楽を拾い、蕩けさせられ、ぐずぐずになっている最奥をたっぷりと濡らしてくる。
本能だけの単純な行為じゃない、躰の全てが塗り替えられるような経験だった。

「くそ、ア・・ッ・・・・んぁ、は・・っ、だめ・・・っ」

全ての布を剥ぎ取られた青島の無駄のない背中には、紺碧の月明かりが映り、陶器のような肌をほんのりと染めていた。
怠惰な仕草で青島は壁に片手を付く。が、それは汗で滑る。
男にこんなことされているなんて。
どうしよう、すっっっげきもちイイ。

「・・・・ァ・・・・ッ・・・・」

不意に室井が腰を突き上げ、予期せぬ鋭い動きに、青島の喉から堪え切れず高い声が上がった。
せめてもと支える重心にしては、室井の愛撫は執拗で、崩れ落ちる愉悦の前に全身の力が抜けていく。
霞んで潤む視界に、蒼いカーテンが揺れた。

「ア・・・ッ・・・アア・・・ッ・・・も、それ、やめ・・っ」

淀みない仕草で腰を回す室井は、確かめるように、奪うように、青島を玩弄し
獣欲に落ちた息を上げた。
逃げを打つ背中を辿る仕草も、胸の尖りを弄られる指先も、狂おしいくらいの男の欲望だけを剥き出しにしていて
貪る動きに言葉など無用だと、教え込まれる。
施される愛撫に敏感に跳ねる躰は、つまりはそれほどまでに肉欲に飢えていたのかと
青島自身に思い知らせた。
上擦る呼吸で、秘肛を入り口から最奥までねっとりと肉竿で支配され、もうどのくらいか。
頭がおかしくなりそうだった。

「ココも、喘いでいる」
「ふあッ、アッ、・・・アッ、アッ、」

たった一言。
耳に吹き込まれた淫らな声に晒されて、青島の躰は勝手に惑乱した。
節の立つ室井の指を口腔に咥えさせられ、青島の口から刺激に対してせり上がる嬌声が零れだす。
合わせて滴り落ちる唾液が、室井の腕を伝った。

「あっ、あっ、ああっ、はぁ・・っ」

青島の髪が律動に合わせ、波を打ち、涙が零れる。

「や・・っ、すご、ぃ、むろ・・・さ・・ッ」

甘ったるい痺れと、大人の官能を植え付けられ、欲しがるより先に、与えられ、奪われる。
初めのうちは怺えていた嬌声も、それが完遂された試しはない。
今夜もきっと。
多分、もっとぐずぐずに蕩けさせられる頃合いには、室井に促されるまま、快楽の深さを自白させられ
はしたない言葉で淫らに男を誘う文句を言わされているのだろう。

「あっ、はっ、イ・・ッ・・・、んぁ・・っ」
「締め付けてくる・・・」

首筋を咬まれ、背筋に走った電流に青島の四肢の力が抜け落ちる。
反り返る背中に幾つも吸い付かれ、その度に全身が疼いた。
どこを触られても感じてしまう。
床に頬を押し付け、青島は潤んだ瞳で奥歯を噛んだ。

残酷なまでに施される愛撫を持て余し、がくりと崩れ落ちた身体から、肉竿がずるりと引き抜かれると、青島は荒い息を吐いた。
すぐに室井に身体を仰向けにさせられた。
手首を縛られたままでは成すが儘に、転がる躰を弄ばれ、室井の手によって両脚を大きく割られると、はしたない秘部を晒す。
見上げる男の瞳は今は熱を孕んで、濡れていて。

「――ッッ!!」

闇に、溶けていく。
断りもなく侵入してきた熱いものに、青島のは背中を海老反りにして痙攣した。
思わず喘いだ口唇を割って入ってきた舌が歯列を擽り、上顎を舐めて、青島の舌を捕らえる。

室井の思惑通り反応し、恥ずかしいのと居た堪れないのと、この熱い塊にもっと辱められたい淫乱な願いが交錯し
青島は夢中で口腔を犯してくる室井の舌を求めた。
本能のままに腰を浮かせておきながら、仰け反って、快楽に震える躯を持て余して、熱い吐息を夜に零す。

「ああ・・っ、はぁ・・っ、あッ、・・・んぁ・・・っ」

縋れない男が潤んだ視界で、快楽に歪む顔を惜しげもなく晒し、黒目がちの双眼でリズムを上げた。
引き摺られる躰が、熱い。
躊躇に怯え、煽られ、満たされ、男を教えられ、更に奪われていく。

「ああ゛ッ、ゃだ、っ、や、・・ぃゃ、あっ、も、やめ、てっ」

強すぎる刺激で濡れた目尻を、室井の舌が舐めとり、あやすように口付けを落としながら、室井が口端だけ滲ませた。
室井が熱く嬉しそうに「可愛い・・」と囁き、執拗にそこを狙ってくる。
続けて、いきなり奥深いところまで突き上げられた。

「ああ゛あっ!・・く、・・・ぁあ・・・」

目の前が白く霞むほどの苦痛と快楽の狭間で、酷く惑乱した青島が顔を背ける額に、濡れた前髪が乱れ堕ちる。
輪郭を辿り、日に焼けた滑らかな肌が色付くままに火照り薫る。
その嬌態に、室井がまた煽られる。

知っていた警告も選択権のない命令も、感情を制御できなかっただけの、欲望なんだろうか。

濡れた手で室井が左右から尻を掴み、押し開いた。

「自分のいいように、動け」

短く命令すると、室井は激しく青島を突き上げた。
その力強さは、青島を狂わせるには充分で、抑えきれずに零れる嬌声に自分で追い詰められ
青島は室井の熱い肉竿に内壁を擦り合わせるように夢中で腰を振る。

グチュグチュと恥ずかしい水音を立てているそこを、自ら室井に見せ付けた。
反り返る自分自身が、赤く充血し蜜を光らせる。
逸る青島の動きに、室井が合わせ、淫乱な姿に変えられた様をじっとりとした目で見下ろしていた。

「もっと腰を使えるだろう?」

抱き寄せてくれる腕の強さに陶然とし、濃い快楽が爛れた甘さを含み、部屋に熱を孕ませる。
自分の片足が室井の肩に担ぎあげられ、室井の動きに合わせて揺れているのが滲む視界に入った。

「あ、あっ、あっ・・・そこ、あああ!」

解けて蕩けて、形を失っていく感覚に、声を抑える理性さえも夜の熱に溶け堕ちる。

どうなってもいい。
どうせ堕ちるなら、骨までしゃぶられ、奪われ、溶けあって、背徳の悦びに狂うところまで、共に堕ちたい。

自分を容赦なく翻弄し続ける男に導かれ、青島は淫蕩な反応を返す。
終電を逃したから。今夜は満月だから。
言い訳なんて、幾らでもあった。







Side-M
快楽に酔い痴れた顔―――熱く潤んだ躯。
抜けるように熟れた肌は薄紅色に染まり、甘く咽返る青島の匂いに我を忘れそうになる。

「・・・見誤ったな」
「っくぅ、・・ふ、ぁんっ、・・・・やぁ、ァッ、・・・あぁっ」

緩く深く奪われながらも、青島が潤みきった瞳で見上げて来れば、それだけで室井の躰は熱くなる。
埋め込んだ肉竿を美味そうに咥える下肢を震わせ、悲鳴染みた青島の声は、室井を脳髄からくらりとさせた。
こんな風に手放せなくするつもりはなかった。
傷つくのが怖いくせに、手放すことも怖くて、身体の裡が咆哮するまま、青島を貪る。

なんて淫らな躰なんだ。
もっと声を上げさせ、淫乱にさせたくて、縛ったままの手首はそのままに、室井は赤く膨らむ胸の尖りを口に含んだ。
それだけで、青島の内股は不規則な震えを見せる。
敏感な躰は、室井が時間をかけて仕込んだ。

ぷっくりと誘う尖りを吸い上げ、舌でねっとりと舐め、味わっていると、やがて青島の啜り啼く声が聞こえてきた。
見れば、真っ赤な顔で食いしばり、必死に悦楽を怺ている。
その貌の娼婦のようでいて処女のような淫乱さに、室井は昂る身体を抑えきれない。
絶望を越える欲望を感じるのはこんなときだ。
理性すら蕩けた思考に爛れさせられ、自分の救いがたい高慢さに、呆然とする。
姑息な手段だと思う。だがもう卑怯でも高慢でも、最早手段に構っていられる余裕も、失った。

「ほしいか?」
「・・ぁ・・・っ、ほ、ぃ・・ッ、ほしぃ、もっとっ、あんたの、」

強請られ、熱く怒張した自身で青島を深く貫いた。

「ああ゛・・ッ、あぁ・・ッ」
「挿れただけで達ったか・・」
 
青島の口から悲鳴のような声が上がり、襲い来る波を手繰れば、青島が涙目でちがうと否定をする。
だが不規則に痙攣を伝える媚肉が室井を締め付け、ナカだけで達っているのは明らかだ。

「それなら遠慮はいらないな」
 
くつり、と男染みた笑みを落とし室井は青島の腰に手を添え、自分を締め上げる襞を解すように掻き乱す。
ゆっくりと腰を回せば、淫らな水音が耳から愉しませた。
快楽の深みに、青島の顔が不安に揺らぐことが、室井の雄を翻弄する。
雄の欲望を露わにする室井の笑みに、青島の無垢な瞳から滴が流れ落ちた。

テーブルに散財したままだったワイングラスを取ると、室井は途中となってしまった夕食のライムを摘まんだ。
一口、齧る室井の白い歯が、獣染みた捕食を思わせる。

「残りは君が食べるといい――これは、媚薬だ」

グラスに残るウォッカを口に含み、こちらを振り仰ぐ青島の形良い顎に指をかけ、答えを待たずにその口唇に口付ける。
青島の顔の横に手を付き、覆い被さるように注ぎ込んだ。
つ、と流し込みながら、室井は深く抉るように腰を振り出す。
度数の高いアルコールの灼けるような熱を一気に飲まされた青島は、浮かされた顔で室井を見上げてきた。
その純潔の光を見つめながら、室井は再び快楽の深みに投じた。

「あっ、あっ、ああっ、あ゛ッ、・・んああっ」

こんな夜を与えてくれて、狂わない男はいない。
度重なる刺激に熱を持って腫れあがり、ひくひくと震える内壁を擦り上げ、胸元を嬲られて
青島が解けて蕩けていく。
アルコールが青島の口から滴り、豊かな芳香を放ち、噎せ返るように熱が上昇する。
浅ましく喉を鳴らし、室井は焦らすことなく快楽を与え、追い詰められて呼吸さえままならなくなった青島の半開きの口を目に映しながら
室井は青島の腰を強く引き付ける。

「自分にいいように動け」
 「、は、い・・」

荒い息に邪魔された濡れそぼる声で、幽かに青島がようやく素直にこくんこくんと何度も頷き返し
律動に合わせて青島から上がる戦慄きに混じり、何度も名を呼ばれる。
全てに煽られ、目の前の肉を貪る以外、何も考えられなくなる。

せめて今宵の愛咬の痕を残したくて、陶器のように月に透ける肌に室井は何度も吸い付いた。
熱に浮かされ、焦点を彷徨わせる青島の瞳を、その顎を掴むことで強引に捕らえ、付いて来いと命令をする。

「青島、・・クッ、ウッ、」
「・・ろぃ、さん・・っ、すき・・ッ、すき、だ・・・っ」

蕩け切る寸前、羞恥も矜持も剥がれ落ちた青島が、その色素の薄い褐色の瞳で室井を呼んだ。
頭上でもどかし気に縛られている手首が赤く擦り切れ、それでも逃がせない快楽に、青島の目尻からは雫が流れ落ちる。
極上の快楽と、可愛くて愛おしい気持ちが溢れてくる。
ひたすら責め苦に堪える青島が、愛おしく、狂おしく、同時に悠然と湧き上がる野蛮な欲望は、やはり今夜も際限がない。

「ゃあ・・っ、あ゛、あ、・・・むろ・・・さ・・・ッ」
「青島・・・・・気持ち良いのか・・・・」
「・・アッ、イイ、・・・ッ、イイッ」

忙しなく繰り返される口付けをし、蕩けた内部を搔き乱し、余裕のない動きで室井は激しく注挿する。
両肘に青島の膝を抱えたまま、淫猥な動きで腰を回せば、女宛らの高らかな悲鳴をあげ、青島が身体を仰け反らして揺れる。
反り立ったものから腹部に白い蜜が零れる様を、無遠慮にいやらしく見つめながら
室井は余韻を与えるつもりもなく、青島を抱き込んだ。

「もっと腰を使えるだろう?」
「イイ・・ッ、ァッ、・・はっ、、ァア・・ッ!」

青島が腰を浮かせ、室井の竿に擦るように腰を回してくる。そのくねくねとした、淫乱な動き。たまらない。

「くれてやる。おまえだけだ」
「・・ああ゛ッ、あ、あ、・・ぁああ・・・っ」

堪え切れない想いは言葉に出来る筈もなく、ただ、室井は室井を咥えたまま達した青島の口を塞ぎ
再び室井の太い欲望が、容赦なく突き上げる。

「・・ク・・ッ、フ・・・ッ、ウ・・ッ」
「んぁッ、は、ゃ、あっ、アッ・・・・・、ああ゛ッ」

最奥まで容赦なく貫かれた青島の躰が衝撃に仰け反り、何度も顎から首筋までを美しいラインを描いて室井の前に晒された。
戒められた腕で不自由そうに身悶える姿が、この上なく耽美で雄を淫乱に誘いこむ。
こうして身も心も縛り付け、室井のものにして、束の間の幻想に二人で堕ちていく。
達くたびに甘い躰は思う以上に敏感になっており、室井の手で変えられていく肉の変化に脅える青島は、もう室井の思うがままだった。

「・・ッ!・・・んはっ、・・んあっ、んあっ・・・!」
「くうっ・・・・・ウッ・・・・・ハッ・・・・・ハァッ・・・・青島ッ、青島・・ッ」
「・・・アッ・・・アッ・・アッ・・アッ・・・・・」

終電を逃したから。今夜は満月だから。
言い訳なんて、幾らでもあった。












3.
「・・・ぁ、何時・・・?俺、どのくらい寝てました・・・?」
「そんなに経っていない。まだ明け方だ」

乱れたシーツを被り、舌足らずで室井の胸に頭を寄せる青島は、滅多に見れない甘えた姿だ。
室井は腕枕をするように、その頭を抱え込んだ。

「で結局、きのー何回ヤったんですか?」
「・・・覚えてない」
「ゴムは?」
「・・・最初は」
「サイテー」

愛らしい仕草に似合わず、口は可愛気がない。
室井の腕が青島の腰に回り、青島をベッドに引き戻す。

「昨日は可愛く強請れて素直だったが」
「気のせいっっ」

室井が青島の耳元を咬んで吐息を落とした。

「おまえ、アンアン鳴いてたぞ」
「・・・////」
「キモチイイって俺に縋って、善がって、淫らに啼いて」

室井の勤勉な指先が情痕に染まる青島のボディラインを辿り、昨夜の、ついさっきまでの激しい情交を思い起こさせる。
細腰を越え、尻の膨らみを回り、終点で、まだ余韻の残るそこに指を這わせた。
つい先程まで室井を埋め込んでいたそこもまだ熱く、とろりと濡れた粘膜をヒクつかせて、室井を強請る。
室井は青島を背後から抱き締めながら、再び反り立つ自身をずぶずぶと埋め込んでいった。
断りもなく朝から始めた行為に、青島が、んっと小さく呻く声を、首筋を吸い上げることで、支配する。

「おまえの後ろは、もう俺のココを全部咥えているんだ・・・いやらしく・・・ほら・・・・」

耳元にそう吹きこみ、室井が青島の耳たぶを甘咬みした。
それだけで、敏感な青島は震え、淫乱に咥えた肉を締め付ける。

「男に貫かれて善がってるのか」

口付けを背中に降らす室井の腕の中で、青島が身動ぎをするが、室井は力で閉じ込めた。

「覚え、て、ません・・っ」
「なら同じだな」
「全然ちがう・・・っっ」

ばふんばふんと青島が最後の悪足掻きで背後の室井に枕を投げつける。
その両腕を纏め、室井はシーツに縫い付けた。

「また縛るぞ」
「そんなに俺がすきかよ?」
「うるさい」
「ねぇ・・・まだヤんの・・・?」

しっとりと汗ばんだ肌の吸い付く感触を確かめるように、室井の薄い口唇が青島の肌を意味深に上からゆっくりと辿り下りる。
触れるか触れないかの微かな刺激に、青島はもどかしく肌を粟立たせた。

「・・ココが、イイんだろう・・・?」

最奥の一番敏感な個所を弄るように、室井が肉竿で玩ぶ。

「何も望まないおまえを、俺はどう満たせばいいのか、解からなくなるときがある」
「・・・ア・・ッ・・・」
「でも、躰は欲しがっているようだ」

室井が首筋をすっと舌で撫ぜあげれば、まだ余韻の残る青島の躰は簡単に震え、仕込まれたままに疼きだす。
切なげに眉を寄せて、顔を歪めた。
色香を乗せるその顎を掴んでキスを仕掛けると、青島は合意の瞼を落とした。
室井が青島の腰を掴み、再び動き出す。
最初は緩く小刻みに、うねるようにグラインドしてから、徐々に動きを大きくしていく。
背後から手を回し裏筋を撫でると青島が可愛く鳴いた。

「あ、あ、ああ・・・っ」
「今度はコッチを縛ろうか・・・」

室井が青島の花芯を掴み、根元を搾り上げた。
急所を囚われ、青島が逃れようと踠く傍から、室井が突き上げる。
掠れたような青島の押し殺した声が、室井の耳を爛れさせた。

「あ・・っ、・・く、・・ん・・ぁ・・・、」
「付き合うんだ」

たったひとりの存在を、こんなに欲しいと願ってしまった。
この存在を絶対に手放すものか、と心に誓う。
青島の全てを見て、知って、コントロールして、絶対に自分の元から離してやらない。


始発まではまだ早い。
窓からは満月が覗いている。







happy end

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20210328